COLUMN

水産業界のロングテール化に勝機を見た!

現在の情報化社会で便利な点は、例え地球の裏側の情報であっても、隣の家で起こっているかのように、スグにその情報が手に入ることでは無いでしょうか。

そして「じゃあ、成功しているネットビジネスって何?」と聞くと、最近躍進するIT企業のイメージが頭から離れませんね。以前紹介したAmazonのような...。

しかし、日本の漁業界でも飛躍している企業があります。

それは、大阪府吹田市にある「株式会社旬材」 です。この会社では、水揚げされたばかりの新鮮な魚を飲食店や、お寿司屋さんなどが直接、ネットから買うことができるネット販売の仕組みを提供しています。

中間業者を通さないので、市場価格の2割も安く、旬の魚をお店が直接購入できるサービスです。ここには全国約20の漁業共同組合が登録し、(株)旬財は売り手側と買い手側をWeb上で仲介しているのです。

このサービスの秘密は株式会社旬財が提供する、このSCSSという産地買付システムにあります。面白いのでこのページのサンプル動画、一度見てみてください。  株式会社旬財:「産地買付システム」 

はい...。魚しか映っていませんでしたね。。。

漁協側は水揚げした魚の情報を、リアルタイムにこのSCSS専用サイト上に掲載します。魚の品種や価格、水揚げ状況の映像や、競りの風景の映像までアップするそうです。

会員は毎朝各市場の情報を、パソコンから動画でリアルタイムに見て、買い付けしているのです。ですから、朝早くから遠方の市場に出かける必要が無いのです。そして、なんと北海道以外なら、注文した翌日には届くそうです。

また「品質は優れているのに、市場から弾かれてしまう」といった商品の数々も、産地から直接販売しています。

魚にも旬があり、今までは名前の知られていない魚、少量の魚など、全体の約半分が規格外として、流通されずに廃棄処分にされていたそうです実にもったいない話ですよね。

しかし、最近の飲食店では競合店との差別化を図るため、旬ではないが珍しい魚を欲しがる店が増えてきました。そこで、廃棄する魚を欲しい人に売る事もできるわけですから一石二鳥、環境、省エネの観点からも、とても優れたビジネスモデルと言えるわけです。。

実はここでもAmazonのような「ロングテール化」を垣間見ることができましたね。

※SCSSは水産業界における新しいビジネスモデルとして高い評価されると共に、平成21年度の「関西IT百選」の最優秀企業にも選ばれています。


担当:上原