昨年8月、HMV渋谷が閉店した際、音楽業界の関係者には激震が走った事と思います。音楽ソフトの市場縮小は、インターネットでの音楽配信などで苦戦を強いられた事が、背景にあるといいます。
この事件、はたして他業界の人にとっては「対岸の火事」と片付けられるでしょうか。今まさに、書籍、新聞、TVの映像までもが、ネットに流れており、各業界ではネットとの共存について、真剣に考えていかなければ成りません。
私がこの音楽市場に似ているなぁ、と思っているのは何と言っても、パソコンソフト市場です。音楽CDと同じで、パソコンにインストール出来てしまえば、あとはパッケージやCD(DVD)は特に必要ありません。逆に邪魔だなぁ、とさえ感じてしまいます。
以前からネットでダウンロードして購入する方法はあります。しかし、ここ1年、iPhone、iPadの登場でアプリケーションの購入方法は劇的に変わってしまいました。ネット上で決済して、インストールして完結。アップデートまで勝手にやってくれるんですよね。しかもわずらわしい操作は一切要らず、全て指一本で。
私はこの仕組みに初めて触れた時「あーこれは凄い...すぐに流通革命が起こるだろうなぁ」と関心しました。パソコンソフトもこんな風に買えるのかと思っていた矢先、アップルが早速やってくれました。
今年1月からMac App Storeとして、iPhone、iPadと同じように専用サイトで1,000本以上のMacソフトの販売が始まったのです。ストア内で選んだアプリはワンクリックでダウンロード開始され、決済、ユーザー管理、アップデートの更新までされるというから、本当に驚きです。
この流れを見ていると、音楽ソフト、パソコンソフトの様に姿カタチの無いものを、大きなパッケージに入れて店頭で販売する、という既存の販売方法に、正直違和感を感じてしまいます。
ちなみにこのMac App Store、オープン初日に100万本がダウンロードされ、毎秒200本以上のペースでその勢いが続いているとか...。商品在庫、人件費、土地代が不要なこのビジネス、今後も間違いなく伸びるだろうなぁ、と感じずにはいられません。
担当:鈴木