COLUMN

「ワークシフト」リンダ・グラットン(勝手に書籍サマリー!)

■モノより自分にしかできない「生産」へ
 欲望の方向は「モノ」から「価値ある体験」に移る。ただし、「価値ある体験」とは、カネさえ払えば誰でもできるような体験ではない。自分でなければできないこと。何かを生み出すこと。(狭義の)消費ではなく、(広義の)生産こそが人々の求めるものになっていく。


 単なる長時間のハードワークは幸福につながらないし、先進国にふさわしい付加価値も生み出せない。しかも高齢になってからも働き続けるなら、こうした働き方はなおさら難しい。新しい働き方のためには専門的な知識や技術が必要になる。それを支えるのが教育と訓練だ。
 人とのつながりの大切さにも目が向く。孤立してあくせく競い合うより、ほかの人とつながりながらイノベーションをめざす。起業などビジネスのためにも、あるいは時に仕事抜きで楽しい時間を過ごし元気な心を取り戻すためにも、さまざまな「友人関係」が圧倒的に重要になる。